夏の悩み

寝室が暑くて眠れないのはなぜ?窓からの熱を止める3手順

寝室が暑くて眠れないのはなぜ?窓からの熱を止める3手順

「エアコンをつけているのに、寝室だけ寝苦しい」「夜中に暑さで目が覚める」。夏の鹿児島で、そんな相談をいただくことがあります。

結論からお伝えすると、寝室の寝苦しさは冷房の力不足ではなく、**昼のあいだに窓から入った熱が夜まで残っていること**が原因のことがあります。この記事では、なぜ夜になっても熱が引かないのか、どこから手をつければよいのかを、鹿児島の一級建築士事務所「窓暮らし診療所」が順に整理します。

作成者 羽柴 良洋(株式会社友喜デザイン事務所 代表取締役/一級建築士・平成7年取得/屋号「窓暮らし診療所」) プロフィール

作成日 2026年9月13日 最終更新日 2026年9月13日 本記事は2026年9月時点の情報です 読了時間 約7分

寝室が暑くて眠れないのは、窓が原因ですか?

窓が原因のひとつになっている場合があります。冷房時に住まいへ入ってくる熱のうち、窓などの開口部から入る分が大きな割合を占めるという試算があるためです。ただし、これは断熱性能の低い窓を想定したモデル試算であり、実際の割合は住まいの条件によって変わります。

夏の冷房時に住まいへ入る熱の内訳を示した横棒グラフ。窓・開口部が73%と最も大きく、屋根11%、外壁7%、換氣6%、床3%と続く 図1 夏の冷房時に住まいへ入ってくる熱の内訳(低断熱住宅のモデル試算) 窓・開口部 73% 屋根 11% 外壁 7% 換氣 6% 3% 熱の入り口として、窓の占める割合が大きいことを示したモデル試算です。 アルミサッシ+単板ガラスなど、断熱性能の低い窓の住宅を想定した試算です。実際の割合は住まいの条件により異なります。 出典:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会の資料をもとに作成(2026年8月時点)

寝室は日中ほとんど使わない部屋です。そのため「昼に熱がたまっていること」に氣づきにくく、夜になって布団に入ってから、はじめて暑さを感じることになります。

なぜ夜になっても、寝室の暑さが引かないのですか?

冷房が空氣を冷やしても、日中に壁・天井・家具へたまった熱は残るからです。その熱が夜のあいだ少しずつ放出されるため、室温がなかなか下がりません。

日中に窓から入った日射は、床や壁、家具に吸収されて蓄えられます。夕方に外氣温が下がっても、この蓄えられた熱はゆっくりとしか放出されません。エアコンは室内の空氣を冷やすのは得意ですが、建物にたまった熱そのものを短時間で取り除くことはできません。

鹿児島の住まいでは、この「熱が残る」条件がそろいやすいという事情もあります。

01夏の日差しが強く、暑さが夕方まで残る

02桜島の降灰が氣になる日は、窓を開けて熱を逃がすことがためらわれる

03鹿児島市の吉野・伊敷エリアなどには、西向きにリビングや寝室が面した築20〜30年・アルミサッシ+1枚ガラスの住まいが少なくない

出典:出典:窓暮らし診療所の地域知見(西日・降灰・住宅像)。住宅像は当院が地域で多く見てきた傾向であり、すべての住まいに当てはまるものではありません。

つまり「窓から熱を入れる」「熱を逃がしにくい」「窓の断熱性能が低い」という条件が重なると、夜になっても寝室の暑さが引かない状態になりやすいということです。

窓の対策は、どこから手をつければよいですか?

「入る熱を減らす」→「たまった熱を出す」→「冷房で仕上げる」の順に考えると迷いにくくなります。順番を逆にすると、冷房を強めても効きにくく、電氣代だけが増えることがあります。

寝室の暑さ対策を考える順番を示した3ステップの流れ図。ステップ1は入る熱を減らす、ステップ2はたまった熱を出す、ステップ3は冷房で仕上げる 図2 寝室の暑さ対策を考える順番(3ステップ) STEP 1 1. 入る熱を減らす 窓の断熱・遮熱を見直す。日射が 入る時間帯と方角を確認する STEP 2 2. たまった熱を出す 夕方から夜にかけて、風の通り道 をつくって熱を逃がす STEP 3 3. 冷房で仕上げる 1と2で下げきれない分をエアコ ンで補う 1を飛ばして3だけを強めても、電氣代が上がるわりに効きにくくなります。 順番はあくまで考え方の目安です。住まいの条件により最適な手順は変わります。 出典:窓暮らし診療所

ステップ1で見るのは、どの窓ですか?

寝室のなかでも、面積が大きい窓と、西や南に向いた窓から見ていきます。同じ部屋でも、入ってくる熱の量は窓の大きさと向きで変わるためです。当院では、窓の状態・方角・熱のこもり方に加えて、家の構造や築年数による劣化、その土地の氣候風土まで見たうえで判断しています。

出典:出典:窓暮らし診療所「診る基準」(/usp/expertise/)

また、効果が見込めない工事や過剰な工事はおすすめしていません。状況によっては「今は工事をおすすめしない」とお伝えすることもあります。

ステップ2で、風の通り道はどうつくりますか?

入口と出口の2か所を開けるのが基本です。窓を1か所だけ開けても空氣は動きにくく、低い位置から入れて高い位置から抜く形にすると、たまった熱が出ていきやすくなります。

ただし鹿児島では、降灰の日や防犯の面から夜に窓を開けにくい住まいもあります。その場合はステップ2に頼れないぶん、ステップ1(入る熱を減らす)の比重が大きくなります。どの手が使えるかは住まいの状況によって変わるため、まず現状を確かめたうえで組み立てるのが確実です。

内窓を入れると、寝室の夜はどう変わりますか?

日射として入ってくる熱と、ガラスや枠を通じて伝わってくる熱の両方を抑えやすくなります。夜のあいだに室温が下がりやすくなることが期待できます。

内窓は、今ある窓の内側にもう1枚の窓を取り付ける工法です。2枚の窓のあいだに空氣の層ができるため、外の熱が室内に伝わりにくくなります。ガラスの種類を選べば、日射そのものを抑える方向にも調整できます。

項目 内容 注記
工期の目安1窓あたり約1時間窓の大きさ・納まりにより変わります
工事の範囲壁を壊さない(内側に取り付け)住みながら施工できます
施工の単位部屋ごと・窓ごとに可能寝室だけを先に整えることもできます

出典:出典:窓暮らし診療所 /service/window/(工期の目安)

光熱費については、窓の高断熱化によって年間およそ2.2〜2.7万円の削減が見込めるという試算があります(6地域・戸建てのモデル住戸・冷暖房合算)。ただしこれはモデル試算であり、効果を保証するものではありません。実際の金額は住まいの条件・使い方・電力単価によって変わります。

出典:出典:日本サッシ協会 2025(当院のシミュレーションページに出典表記あり)

カーテンで遮る場合と窓自体の断熱を上げる場合の違いを2列で対比した図。左はガラスを通った熱が室内側のカーテンを温める、右は窓の段階で熱の出入りを抑える 図3 カーテンで遮る場合と、窓自体の断熱を上げる場合の違い カーテンでさえぎる 窓自体の断熱を上げる 熱はガラスを通って室内へ入る カーテン自体が温まり、部屋へ熱を放つ 窓ぎわに立つと熱を感じやすい 窓の段階で熱の出入りを抑える 2枚の窓の間の空氣層が働く ガラスの種類で日射も調整できる 同じ「暑さ対策」でも、熱を止める場所が違います。 効果の出方は窓の大きさ・方角・製品仕様により異なります。 出典:窓暮らし診療所

費用と補助金は、どう考えればよいですか?

性能基準を満たす内窓の設置は、国の「先進的窓リノベ2026事業」の補助対象になり得ます。ただし要件と審査があるため、対象になるかどうかは窓と製品の条件を確かめる必要があります。

この制度は住宅1戸あたり最大100万円が上限とされていますが、対象製品・工事の要件と審査があり、国の年度予算の上限に達すると受付が終了します。受給を保証する制度ではありません。最新の受付状況は公式サイトでご確認ください。

先進的窓リノベ2026事業 公式サイト(2026年8月28日確認)

申請の手続きは、登録された窓リノベ事業者が行います。お客様にお願いするのは必要書類のご用意程度です。国の制度に加えて自治体の上乗せ制度がある場合は、あわせて確認してお伝えしています。

出典:出典:窓暮らし診療所 /usp/subsidy/

寝室の暑さ セルフチェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個今すぐ工事が必要な状態とは限りません。まずは日射の入る時間帯を観察してみてください。
2〜3個窓からの熱が影響している可能性があります。無料の現地調査で状態を確かめる価値があります。
4〜6個窓が熱の主な入り口になっている可能性が高い状態です。優先順位をつけた対策をおすすめします。

まず何から始めればよいですか?

窓の写真を1枚撮るところからで大丈夫です。図面や詳しい寸法は、この段階では必要ありません。どの窓が熱の入り口になっているかを見立てるところから始めます。

当院では、現地調査とお見積りを無料で承っています。「相談だけでも大丈夫」という方も多く、公式LINEで窓の写真を送っていただくだけの簡単なお見積りにも対応しています。

出典:出典:窓暮らし診療所 /faq/ Q1・共通CTA

寝室の暑さは、我慢すれば済むものではありません。睡眠の質は日中の体調にも関わります。まずは「どの窓から、どれくらい熱が入っているのか」を確かめるところから始めてみてください。

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現地調査・お見積りは無料です。公式LINEで窓の写真を送っていただくだけでも、おおよその見立てをお伝えできます。

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エアコンをつけて寝ているのに、朝までぐっすり眠れません。窓は関係ありますか?
関係している可能性があります。冷房で空氣を冷やしても、日中に窓から入った熱が壁や天井、家具にたまっていると、その熱が夜のあいだ少しずつ放出されます。エアコンは空氣を冷やすのは得意ですが、たまった熱そのものを取り除くのには時間がかかります。

寝室にはカーテンをしています。それでも足りませんか?
カーテンは日射を「室内に入ってから」さえぎる方法です。ガラスを通り抜けた熱はすでに室内側にあるため、カーテン自体が温まって部屋に熱を放ちます。窓ぎわに立つと熱を感じるのは、そのためです。

寝室だけ工事することはできますか?
できます。内窓は今ある窓の内側に取り付ける工法で、部屋ごと・窓ごとに施工できます。一部屋だけを先に整えて、効果を確かめてから広げていく進め方も可能です。

工事の音や出入りで、生活に支障は出ませんか?
内窓工事は壁を壊さないため、1窓あたり約1時間が目安です。大がかりな養生や長期の立ち入りは基本的に発生せず、住みながら進められます。

鹿児島は夜も暑いので、窓を変えても意味がない氣がします。
鹿児島の夏は日差しが強く、暑さが夕方まで残る地域です。だからこそ「昼のあいだに熱を入れすぎない」ことが夜の室温に効いてきます。ただし効果の出方は住まいの向き・構造・築年数で変わるため、まず現状を診るところから始めます。