夏の悩み

畳の日焼けを防ぐには?秋の低い西日から和室を守る窓の考え方

畳の日焼けを防ぐには?秋の低い西日から和室を守る窓の考え方

秋の夕方、和室に入ると畳が金色に光っていることがあります。きれいな光景ですが、その光が毎日当たり続けると、畳は少しずつ色を変えていきます。

この記事では、秋の低い西日から和室を守るために窓まわりでできることを、鹿児島の一級建築士事務所「窓暮らし診療所」が整理します。窓でできること・できないことを、はっきり分けてお伝えします。

作成者 羽柴 良洋(株式会社友喜デザイン事務所 代表取締役/一級建築士・平成7年取得/屋号「窓暮らし診療所」) プロフィール

作成日 2026年9月19日 最終更新日 2026年9月19日 本記事は2026年9月時点の情報です 読了時間 約7分

畳の日焼けは、どうすれば防げますか?

光が畳に届く量そのものを減らすのが基本です。ただし部屋を暗くせずに減らすとなると、手段は限られます。カーテン・すだれ・窓の仕様、それぞれ効く部分と効かない部分があります。

夏の高い日差しと秋の低い西日の入り方を2列で対比した図。夏は角度が急で窓ぎわで止まり、秋は角度が低く部屋の奥まで水平に届く 図1 夏の高い日差しと、秋の低い西日の入り方 秋の西日 夏の日差し 太陽の高度が下がる 光が水平に近い角度で入る 部屋の奥まで届く 畳の広い範囲に当たる 太陽の高度が高い 光が急な角度で差し込む 窓ぎわで止まりやすい 当たる範囲は狭い 「夏より秋のほうが奥まで焼ける」と感じるのは、この角度の違いによるものです。 日の入り方は窓の向き・庇の有無・周囲の建物によって異なります。 出典:窓暮らし診療所

なぜ秋の西日のほうが部屋の奥まで届くのですか?

太陽の高度が下がるからです。夏の日差しは角度が急なため、庇や窓枠でさえぎられて窓ぎわで止まります。秋になると光は水平に近い角度で入り、庇の下をくぐって部屋の奥まで届きます。

鹿児島は日差しが強く、暑さが夕方まで残ります。西向きにリビングや和室が面した住まいでは、夕方の時間帯に光と熱が同時に入ってきます。これは当院が地域で多く見てきた傾向です。

出典:出典:窓暮らし診療所の地域知見(/case-study/west-sun/ 内の地域解説)。すべての住まいに当てはまるものではありません。

畳の日焼けが氣になりはじめるのが秋という方が多いのは、この時期に光の当たる面積が広がるためです。夏のあいだは窓ぎわの1畳分だけだったものが、秋には部屋の中ほどまで届くようになります。

カーテンやすだれでは足りないのですか?

光をさえぎる効果はあります。ただし閉めている間は部屋が暗くなり、窓ぎわにこもった熱はカーテンの内側に残ります。和室を昼間も使いたい場合、この折り合いが難しくなります。

日焼け対策の手段ごとにできることとできないことを2列で対比した図。カーテンやすだれは光をさえぎるが部屋が暗くなる。窓の仕様変更は熱に効くが日焼けを止めるものではない 図2 手段ごとに、できることとできないこと カーテン・すだれ 窓の仕様を変える 光をさえぎれる 費用が抑えられる 閉めると部屋が暗くなる 窓ぎわの熱は内側に残る 外から入る熱を抑えられる 開けたまま使える 日焼けを止める製品ではない 工事の費用がかかる どちらか一方で完結するものではなく、目的によって選び方が変わります。 効果の出方は製品・住まいの条件によって異なります。効果を保証するものではありません。 出典:窓暮らし診療所

外側でさえぎるという方法もあります。すだれや外付けの日よけは、光と熱が窓ガラスに届く前に止められるという点で、室内側のカーテンとは働き方が違います。ただし降灰の多い時期は、外に掛けたものに灰が乗るという事情もあります。鹿児島では、外付けの日よけを使うかどうかに降灰の事情が絡みます。掛け外しのしやすさも含めて選ぶと、結局使わなくなるという事態を避けられます。

内窓や遮熱タイプのガラスは、日焼けに効きますか?

ここは正直にお伝えします。遮熱タイプのガラスは日射熱を反射するもので、日焼けを止めることを目的とした製品とは役割が異なります。「日焼けしなくなる」というご説明はしていません。

一方で、西日が入る部屋の悩みは日焼けだけではないことがほとんどです。夕方に部屋が暑くなる、冷房が効かない、夏のあいだ西側の部屋を使わなくなる。こうした熱の側の困りごとには、窓の断熱が効きます

つまり「日焼けを止めたい」だけであれば窓の工事は最適な手段ではなく、「西日の部屋が使えない」のであれば窓が候補に入ります。目的を分けて考えると、無駄な工事を避けられます。ご相談をいただいた際も、まず「日焼けと暑さのどちらが困っていますか」とお聞きしています。そこがはっきりすると、そもそも工事が要るのかどうかから判断できます。

当院では、窓の状態・方角・熱のこもり方に加えて、家の構造や築年数による劣化、その土地の氣候風土まで見たうえで判断しています。カタログ上の性能ではなく「この家に、この工法は合うか」で見立てます。

効果が見込めない工事や過剰な工事はおすすめしていません。状況によっては「今は工事をおすすめしない」とお伝えすることもあります。

出典:出典:窓暮らし診療所「診る基準」(/usp/expertise/)

窓の工事は、どれくらいかかりますか?

内窓を足す工法であれば、工期の目安は1窓あたり約1時間です。壁を壊さないため住みながら施工でき、和室だけ、西側だけといった進め方もできます。

項目 内容 注記
工期の目安1窓あたり約1時間窓の大きさ・納まりにより変わります
工事の範囲壁を壊さない(内側に取り付け)住みながら施工できます
施工の単位部屋ごと・窓ごとに可能氣になる部屋から先に整えられます

出典:出典:窓暮らし診療所 /service/window/(工期の目安)

西日の当たる和室を見直す順番を示した3ステップの流れ図。ステップ1は当たる時間と範囲を知る、ステップ2は外側でさえぎる、ステップ3は熱の悩みが残るなら窓を見る 図3 西日の当たる和室を見直す3ステップ STEP 1 1. 当たり方を知る 何時から何時まで どこまで届くか STEP 2 2. 外側でさえぎる すだれ・外付けの日よけを まず試す STEP 3 3. 熱が残るか見る 暗くしても暑いなら 窓の断熱を検討 順番に試すと、どこまでで足りるかが分かります。 効果の出方は窓の向き・庇の有無・住まいの条件によって異なります。 出典:窓暮らし診療所

窓の工事に補助金は使えますか?

性能基準を満たす内窓の設置は、国の「先進的窓リノベ2026事業」の補助対象になり得ます。ただし対象製品・工事の要件と審査があり、対象になるかどうかは窓と製品の条件によって変わります。

この制度は住宅1戸あたり最大100万円が上限とされていますが、国の年度予算の上限に達すると受付が終了します。受給を保証する制度ではありません。最新の受付状況は公式サイトでご確認ください。

先進的窓リノベ2026事業 公式サイト(2026年9月13日確認)

交付申請は工事の完了・引渡しのあとに、登録された窓リノベ事業者が行います。お客様にお願いするのは必要書類のご用意程度です。

出典:出典:窓暮らし診療所 /usp/subsidy/ / 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト

なお、この制度は省エネ性能の向上を目的としたもので、日焼け対策のための制度ではありません。対象になるのは断熱性能を高める工事です。

西日と和室のチェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個大きな不安のある状態ではなさそうです。当たる時間帯だけ日よけを使えば十分です。
2〜3個光の入り方が変わってきている可能性があります。まず外側でさえぎる方法から試してみてください。
4〜6個日焼けだけでなく熱の問題も重なっている可能性があります。無料の現地調査で状態を確かめる価値があります。

まず何から始めればよいですか?

夕方、日が差し込んでいる時間帯の和室を1枚撮ってみてください。どこまで光が届いているかが分かると、日よけで足りるのか窓を見る段階なのか、おおよその見立てをお伝えできます。

当院では、現地調査とお見積りを無料で承っています。「相談だけでも大丈夫」という方も多く、公式LINEで窓の写真を送っていただくだけの簡単なお見積りにも対応しています。

出典:出典:窓暮らし診療所 /faq/ Q1・共通CTA

畳の色は、戻すより守るほうが手間がかかりません。秋のうちに当たり方を確かめておくと、来年の同じ時期に慌てずに済みます。西日が入る部屋は、冬になると逆に日中の暖かさが入る部屋でもあります。季節ごとの役割が違うので、光を全部止める方向だけで決めないほうがよい場合もあります。

西日の当たる部屋、日よけで足りるか確かめてみませんか

現地調査・お見積りは無料です。公式LINEで窓の写真を送っていただくだけでも、おおよその見立てをお伝えできます。

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夏より秋のほうが、畳が焼ける氣がします。
秋は太陽の高度が下がるため、西向きの窓からは光が部屋の奥まで水平に入ってきます。夏は日差しが強くても角度が急で、窓ぎわで止まることが多くあります。「強さ」だけでなく「入り込む深さ」が変わるのが、秋の西日の特徴です。

遮熱タイプのガラスにすれば、日焼けは止まりますか?
遮熱タイプのガラスは日射熱を反射するもので、日焼けを止めることを目的とした製品とは役割が異なります。日焼けの原因になる光をどの程度抑えられるかは製品によって異なり、「日焼けしなくなる」とお伝えすることはできません。暑さと日焼けは分けて考える必要があります。

カーテンを閉めれば十分ではないですか?
光をさえぎる効果はありますが、閉めている間は部屋が暗くなり、窓ぎわにこもった熱はカーテンの内側に残ります。「昼間は開けて使いたい和室」の場合、カーテンだけでは折り合いがつかないことがあります。

畳が焼けてしまった場合、元に戻りますか?
表面の変色は裏返しや表替えで見た目を戻せる場合があります。ただし畳の状態と経過年数によって判断が変わるため、畳店にご相談ください。当院は窓を診る立場で、畳の施工そのものは承っておりません。

窓の工事に補助金は使えますか?
性能基準を満たす内窓の設置は、国の「先進的窓リノベ2026事業」の補助対象になり得ます。ただしこれは省エネ性能の向上を目的とした制度で、日焼け対策のための制度ではありません。要件と審査があり、国の年度予算の上限に達すると受付が終了します。